3月末まで隣の席だった弁護士さんが、大の沖縄ファンで、司法修習の実務地も那覇。
夏の間は、毎日、机を並べて、二人そろって、かりゆしを着ていた。
たまに、弁護士さんがかりゆしを切らしてアロハやポロシャツだったりすると、沖縄に対する愛情を切らしたのかと感じた。
私は、沖縄の暮らしや琉球の歴史に関して、一定の知識は蓄えている。
弁護士さんも、沖縄の難解な地名・人名の読み方、そして戦争に関して知識が豊富だ。
しかし、
沖縄滞在が1年弱なのに、弁護士さんは、三線を持っていた。
沖縄滞在が2年もあったのに、私は三線を持っていない。
しかも、
弁護士さんは、三線を弾けるらしい。
さらに、三線を弾きながら、沖縄民謡を唄えるらしい。
私は、三線は弾けないし、沖縄民謡も唄えない。
弁護士さんは、かりゆしを切らし引け目を感じた日でも、心の中では「自分には三線がある」と思っていたかもしれない。
沖縄ファンの弁護士さんが、2年間の任期を終えて、職場から去った。
私も、後を追うように、1日遅れで、その職場から離れた。
夏の間かりゆし姿が並ぶ「そこだけ沖縄状態」は、もうないかもしれない。
弁護士さんは、調査能力・論理構成力が高く、タフで、大量の仕事を遅くまで一人で片つけて、印象深い。
ちょっと難易度の高い要求をしても、必ず、回答を出してくる。さすがだ。
スーパーマンと思ったら、ガンダムファンらしい。
最後の日、送別会の後、上智大の裏の土手で花見をして、四ッ谷駅でお別れをした。
沖縄から、通販で三線が届いた。
三線を弾いて、沖縄民謡を唄えるようになりたい。