Quantcast
Channel: 沖縄での一人暮らし
Viewing all articles
Browse latest Browse all 757

再び伊江島へ(1)

$
0
0

ゴリラチョップ事件で心臓の鼓動はさらに高まったが、左折して本部港ターミナルに入るとゆるやかな下り坂。

前傾姿勢とペダルから解放されちょっと楽になり、さっきのは、きっと水着だったんだよねと、自分を安心させる。

鹿児島行きの大型フェリーA-LINE乗り場を過ぎて、ようやく、伊江島行きのフェリー乗り場にたどり着く。

 

窓口に駆け込み、「間に合いますよね。伊江島往復大人一枚。自転車一台。」。一息で言う。

「1,370円です。自転車は隣の窓口で。」と、手際よいけど、そっけない。

間に合いますよーなんて、笑顔を求めるのは過剰な期待なのだ。

でも、自転車の切符は、客を隣の窓口に並び直させなくても、手を伸ばせばそこにあるじゃん!と思う。

ゆり祭り開催時にはフェリーの臨時便を出すよう改善されたが、窓口は7年前と同じ。

ナップサックから時計を取り出すと、8時50分。体内時計は5分進んでいた。

よかった。疲れがどっと出た。

自転車をフェリーの愛想のいいお兄さんに預けて、階段を上がっていき、デッキに出た。

お客さんは、伊江村の人、仕事の人、観光客、外人、軍人の5タイプにいるようだ。

 

若い軍人は筋肉モリモリのマッチョマンで、これから伊江島で訓練なのか、巨大なリュックサックを背負っている。

リュックサックのおろし方、背負い方が、カッコいい。

普通、登山者は、斜面の傾斜を利用して、重たいリュックを背負ったまま地面に寝て、カラダだけ起き上がる。

背負うときは同様にリュックの上に仰向けに寝て、両腕を通して背負い、前かがみになり、どっこいしょと背負う。このとき、時々よろける‥。

まるで、仰向けになったカメが起き上がるようなやり方は、あまりにも無防備で軍隊では禁止されてるのだろうか。

 

若い軍人は、背負い投げのように、頭の上から、回転させて前方にリュックを降ろす。

背負うときは、逆に、リュックに両腕を入れてつかみ、頭上に抛り上げて、背中に着地させる。

乱暴だけど、短時間で脱着でき、見事なものだ。普通の人がやると、腰を痛めるにちがいない。

さりげなく、みんなの前で披露して、室内に消えていった。

彼の得意技をこっそり見せてくれ、歓声を期待していたのだろーか。

米国軍人の強さと訓練の成果を、大衆の前で披露するように上司から命じられていたのだろーか。

 

陽の当たるテーブルに、サングラス姿の外人グループがコーラを飲んでいた。

サングラスが似合うよね。でも日に焼けていないよね。

私の横隣にも、サングラスをかけ、英字雑誌を読んでいるジェントルマンがいた。

 

私だって、負けていない。結構浅黒く日焼けしているし。

メガネの上から装着できる、一回り大きいオーバーグラスをかけてるから、威圧感出してるはず。

乱視対応の遠・近両用メガネに、仮面ライダー型のサングラスを加えた日本人メガネの最強セットなのだ。

 

でも、本は持っていないので、ケータイでちょっと難しそうなLINEのゲームをやることにした。

日本人は器用なのだ。時間を惜しんで、ゲームで反射神経を磨き、脳を退化させないのだ。

 

しかし、これが、後で大変なことになるのであった。

 

左がフェリー乗り場。右に見えるのが鹿児島行きA-LINE。

伊江島が見えてきた。(続く)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 757

Trending Articles