せっかくパリに着いたのに、休む間もなく、高速道路で北西に向かう。
サービスエリアで、自販機MAXIのコーヒーをタッチレスカードで購入。
紙カップのコーヒーが1.7ユーロ、274円。3年前のレートなら214円。3割高い。
16時、2時間半かけて、フランス北西部の都市ルーアンに着いた。
【ルーアンとノルマンディー公国】
イギリスと深い関係がある。
911年、侵入したノルマン人(バイキング)に対し、フランス王が与えた領土がノルマンディー公国で、首都はルーアン。 1066年、ノルマンディー公国のギョーム2世は、ハロルド2世を破り、イングランド国王となり、ウイリアム1世を名乗った。 ノルマンディー公国は、フランス王の支配下ながら、イングランド王が支配するという複雑な状況になった。<図は、SHIBAさんからお借りしました。>
ノルマンディ公国出身のイングランド王のウイリアム1世は、フランス人で、フランス語を話していた。 ギョーム2世(ウイリアム1世)の血筋は、現在のイングランド国王にも続いている。 イングランド王のヘンリー2世がフランス貴族との結婚で領土を拡大し、英仏100年戦争の火種になった。 これだけ理解するのに、時間がかかった。 【ウイリアム1世やヘンリー1世はフランス名もあった】 コッツウォルズの記事で書いた、世界初の土地台帳Domesday Bookのウイリアム1世が、フランス人だったとは。 オックスフォードの記事で書いた、パリ大学で学ぶことを禁じたヘンリー2世が、ここで出てくるとは。 イングランド王室紋章のモットーには、フランス語の Dieu et mon droit 「神と我が権利」が用いられている。 子のヘンリー1世(Henry I)は、イングランド王(1100年 - 1135年)かつノルマンディー公アンリ1世(Henri I, 1106年 - 1135年)だった。ヘンリーは、フランス読みでHの音が消えてアンリ。※同様に、フランスのHermesはHの音が消えて「エルメス」と発音されるが、英語流に発音すると「ヘーミーズ」。 【ルーアン・ノートルダム大聖堂】 ノートルダム (Notre-Dame, 英語ではOur Lady) はフランス語で「私達の貴婦人」という意味で、聖母マリアを指し、フランス国内にノートルダム大聖堂が8つある。ルーアン大聖堂は1145年着工、1544年完成。ステンドグラスが、凄い。建築様式は、壁が分厚く窓が小さいロマネスク様式に代わり、ゴシック様式が採用された。 ゴシック様式は「神の国」に近づくよう、高さと光を求め工夫され、高い天井と、ステンドグラスが特徴。
主祭壇は、明るい空間。
主祭壇。その先に聖母マリア礼拝堂。
最奥部の聖母マリア礼拝堂。
教会は、壁画よりもステンドグラスの絵の方が見やすく、キリスト教の教えを伝えやすいね。
ルーアン大聖堂の正面
クロード・モネが向かい側の建物から、様々な時間帯で表情を変える大聖堂の姿を、連作したのが有名。
大聖堂から西に進むと、14世紀に作られた大時計がある。 針は1本で、短針だけだが、4時30分を指している。
観光地なので、人は多い。この先にあるものは、次回に。