今回は、故事・ことわざをAIがどれだけ学習し、理解しているか、穴埋め問題で確かめることとした。
「国破れて山河あり」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」「五十歩百歩」「五里霧中」「酒は百薬の長」「三年飛ばず鳴かず」「晴天の霹靂(へきれき)」「千里の道も一歩から」「百聞は一見にしかず」「覆水(ふくすい)盆に返らず」「人生意気に感ず」「先んずれば人を制す」の12題。
チャットGPTとBingAIの回答を比較する。採点は単純に○か×。
AIは文の後ろに確率的に高い文字を続けるため、( )を後半にすれば答えやすいはずだが、面白い結果となった。
次の故事ことわざの( )に入る言葉を埋めよ。理由も書きなさい。
第1問 国破れて( )あり
ChatGPT
国破れて(瓜田)あり
「国破れて瓜田あり」という故事ことわざは、国が乱れると瓜田(うりだ)と呼ばれる農地にも争いが生じることを表しています。瓜田は一般的には平和で穏やかな場所とされているため、このことわざは何事にも例外はなく、どんな状況でも争いやトラブルが生じる可能性があることを教えています。
BingAI
国破れて( 山河)あり。
国が滅びても、自然の美しさは残るという意味です。
原文:国破れて山河あり
評価 ChatGPT × BingAI ○
ChatGPTは、瓜田(うりだ)と呼ばれる平和な農地でさえも争いが生じると解説。モットモらしいが、ことわざにはない。
しかも、争いで瓜田も被害を受けるのが自然で、瓜田が残るというのはおかしい。
BingAIは、正解。
第2問 五里( )
ChatGPT
五里(千里)
「五里千里」という表現は、限られた範囲(五里)だけでなく、広い範囲(千里)にわたっても同様のことが起こる可能性があることを表しています。何かが起こった場所や状況が異なっても、基本的な法則や原則は普遍的に適用されるという意味です。
BingAI
五里 (一里)
遠くから見たものと、近くで見たものでは印象が違うという意味です。
原文:五里霧中(方角が分からなくなってしまうこと。物事の様子がまったく分からず,方針や見込みが立たないこと。)
評価 ChatGPT × BingAI ×
チャットGPTとBingAIの回答は、正反対なのが面白い。チャットGPTは四千里も違うのに同様と言い、BingAIは四里の違いでも印象が違うと言う。
調べたが、どちらも存在しないので×。
第3問 三年飛ばず( )
ChatGPT
三年飛ばず(近江)
「三年飛ばず近江」という故事ことわざは、何事も継続して取り組むことが重要であることを表しています。近江は古代の都であり、学問や修行の場として知られていました。このことわざは、学問や技術の修得には時間と努力が必要であり、短期間で成果を得ることは難しいという意味です。
BingAI
三年飛ばず (金の鳥が飛んでくるまで待て)
物事には時間がかかるものだという意味です。
原文:三年飛ばず鳴かず(長い間、何もしない、あるいはこれといった結果を出さずに過ごすことのたとえ。また、実力を発揮するまでにじっと機会を待っているようす。)
評価 ChatGPT × BingAI ×
「三年飛ばず近江」、「三年飛ばず金の鳥が飛んでくるまで待て」は、理由も含めモットモらしい。
しかし、調べたところ、そのような故事ことわざは存在しないので×。AIの勝負手に、だまされてはいけない。
総合評価:チャットGPT 3連敗。BingAI 1勝2敗。
AIは、故事・ことわざも勉強不足なのか。
表紙の絵は、Bing Image Creator で作成しています。