甲府行きの特急に乗車したときのことです。
全席が指定席となっており、座席の上に小さなランプがある。緑は指定席発券済み、赤は空席を表示している。
始発の東京駅を発車直前に、杖をついたおじいさんが乗車してきた。
動き出す車内を、危ない足取りでゆっくり移動して横を通過していく。車内はガラ空きだが、中央部に座ったようだ。
次の新宿駅で数人が乗車してきて、各自の席に着いたが、それでも空席だらけだ。この先は郊外で、新たな乗車は見込まれず、ゆったりとした車内だ。
まもなく、後方部から「切符拝見」の検札に車掌が巡回し始めた。赤ランプの座席のお客にだけ、声をかけていく。昔は指定券を持っていても検札を受けていたが、今はない。スムーズなシステムになったものだ。
後ろで、車掌が、足の悪いおじいさんと話しているようだ。
おじいさんは違う席に座っており、購入した指定席は2つ前の車両らしい。この列車は最後部が1号車ではなく3号車と変則的なので、席がわかりにくいよね。
やがて、検札していく車掌の後を追うように、おじいさんが、動く列車の中を、ゆっくりと歩き始めた。
揺れる車内で、足の悪い人を2両も移動させるのは、危険を伴うと思う。
車両は混んでおらず、指定席を最初に座った席に変更してあげれば、おじいさんは移動しなくてもいいが、そのような対応は、出来なかったのか?
そう思っていると、後方から別の車掌が現れた。
車内放送をしていた車掌が、放送後、車掌室から出てきたようだ。私の横の通路に立ち止まって、おじいさんが歩く姿をじっと見ている。
おじいさんがデッキを通り過ぎ、隣の車両に入ると、一礼してデッキに移動し、そこで立ち止まっている。デッキからおじいさんの姿を見ているようだ。
やがて、おじいさんが2両先の車内に入ったようで、車掌も急ぎ足でおじいさんを追いかけた。
首を通路に傾けて、遠くの様子を見ると、車掌は次のデッキでも、立ち止まって前方を見ている。
そして、おじいさんが2両先の自分の指定席に座ったのを見届けたのか、車掌が急ぎ足で戻ってきた。
続いて、車内検札を終えた車掌も戻ってきた。
検札し指摘した車掌は、マニュアル通りの行動なのだろう。
おじいさんの様子を見ていた車掌は、マニュアルにはない行動なのだろう。
機械化は進んでも、マニュアルにはない行動をとれる、ナイスな車掌が甲府車掌区にいた。
全席が指定席となっており、座席の上に小さなランプがある。緑は指定席発券済み、赤は空席を表示している。
始発の東京駅を発車直前に、杖をついたおじいさんが乗車してきた。
動き出す車内を、危ない足取りでゆっくり移動して横を通過していく。車内はガラ空きだが、中央部に座ったようだ。
次の新宿駅で数人が乗車してきて、各自の席に着いたが、それでも空席だらけだ。この先は郊外で、新たな乗車は見込まれず、ゆったりとした車内だ。
まもなく、後方部から「切符拝見」の検札に車掌が巡回し始めた。赤ランプの座席のお客にだけ、声をかけていく。昔は指定券を持っていても検札を受けていたが、今はない。スムーズなシステムになったものだ。
後ろで、車掌が、足の悪いおじいさんと話しているようだ。
おじいさんは違う席に座っており、購入した指定席は2つ前の車両らしい。この列車は最後部が1号車ではなく3号車と変則的なので、席がわかりにくいよね。
やがて、検札していく車掌の後を追うように、おじいさんが、動く列車の中を、ゆっくりと歩き始めた。
揺れる車内で、足の悪い人を2両も移動させるのは、危険を伴うと思う。
車両は混んでおらず、指定席を最初に座った席に変更してあげれば、おじいさんは移動しなくてもいいが、そのような対応は、出来なかったのか?
そう思っていると、後方から別の車掌が現れた。
車内放送をしていた車掌が、放送後、車掌室から出てきたようだ。私の横の通路に立ち止まって、おじいさんが歩く姿をじっと見ている。
おじいさんがデッキを通り過ぎ、隣の車両に入ると、一礼してデッキに移動し、そこで立ち止まっている。デッキからおじいさんの姿を見ているようだ。
やがて、おじいさんが2両先の車内に入ったようで、車掌も急ぎ足でおじいさんを追いかけた。
首を通路に傾けて、遠くの様子を見ると、車掌は次のデッキでも、立ち止まって前方を見ている。
そして、おじいさんが2両先の自分の指定席に座ったのを見届けたのか、車掌が急ぎ足で戻ってきた。
続いて、車内検札を終えた車掌も戻ってきた。
検札し指摘した車掌は、マニュアル通りの行動なのだろう。
おじいさんの様子を見ていた車掌は、マニュアルにはない行動なのだろう。
機械化は進んでも、マニュアルにはない行動をとれる、ナイスな車掌が甲府車掌区にいた。