5年前に入院した時のことです。
(カテーテル)手術後目覚めると、点滴、麻酔、ドレーン、カテーテルなど様々な装置がいつの間にか、カラダの各部所に取り付けられているのに気づく。
点滴で、栄養、水分、抗生物質などの薬剤を投入され、尿はカテーテルで点滴スタンドのタンクに貯められる仕組みだ。
自分でトイレに行けるまで回復すると、尿道カテーテルが外される。
(頻繁なナースコール)手術後、HCUから一般病棟に戻り、ベッドで静養して回復と退院を待っている時のことです。
4人部屋に新しくおじさんが入院してきました。皮膚科だったか、重篤な様子ではありませんでしたが、「室温が寒い」とか「照明はいつ消えるのか」とか、些細なことでナースコールを使う患者だった。
他の2人は苦しみと闘いながら抗がん剤治療を続けている模様で、部屋に重い静けさが漂っていたので、おじさんのナースコールの音が、場違いに感じられた。
翌日の午後、おじさんが手術を終えて部屋に戻ってきた。HCUを使わずに直接一般病棟に戻ったので、大きな手術では無かったようだ。
おじさんもベッドで安静にして、静かに回復を待つんだ、と思った矢先に、おじさんがナースコールを押した。
若いナースが飛んで来た。何かカーテンの向こうで話しているようだが、ナースは戻っていった。
しばらくして、おじさんが再びナースコールを押した。
さっきと同じナースが飛んできたが、対応はさっきと同じようだった。しばらくして、年配のナースと共に戻って来て、おじさんと会話している。
「カテーテルから、尿が漏れている」
が、おじさんの主張のようだった。それがどの程度の状態なのか、全くわからないが、ナース達は現状で我慢できない程度かどうか確認しているようだった
そして、主治医であろう女性ドクターが加わった。原因調査する中で、「サイズ」という声が聞こえた。
どうやら、カテーテルのサイズが小さかったため、隙間から尿漏れするらしく、サイズを少し太めのものと交換することで患者も納得したようだった。
カーテンの向こう側の風景は全く想像つかないが、おじさんの局部に挿入されたカテーテルを中心にして、3人の女性が対策を議論していたのは確かである。
その場でカテーテルの交換措置が直ちに行われ、ドクターとナースは去り、部屋には病室らしい静寂が訪れた。
しばらくして、ナースコールが響いた。押したのは、三度目のおじさんだった。
「さすがに呼びすぎでしょう」とナースはもちろん、同室の誰もが思ったはずだ。
「カテーテルから、血が漏れている」
が、おじさんの主張だった。
太めのサイズに交換した時に、窮屈だったのかな。声もださず静かにしていたけど、痛いのを我慢していたのかな。
おじさん、尿が漏れるのと、血が漏れるのとでは、結果的に血の方を選んだんだ。おじさん、自分の選択を後悔してないかな。
翌日、私は退院したので、おじさんのその後の様子は、謎のままである。
(カテーテル)手術後目覚めると、点滴、麻酔、ドレーン、カテーテルなど様々な装置がいつの間にか、カラダの各部所に取り付けられているのに気づく。
点滴で、栄養、水分、抗生物質などの薬剤を投入され、尿はカテーテルで点滴スタンドのタンクに貯められる仕組みだ。
自分でトイレに行けるまで回復すると、尿道カテーテルが外される。
(頻繁なナースコール)手術後、HCUから一般病棟に戻り、ベッドで静養して回復と退院を待っている時のことです。
4人部屋に新しくおじさんが入院してきました。皮膚科だったか、重篤な様子ではありませんでしたが、「室温が寒い」とか「照明はいつ消えるのか」とか、些細なことでナースコールを使う患者だった。
他の2人は苦しみと闘いながら抗がん剤治療を続けている模様で、部屋に重い静けさが漂っていたので、おじさんのナースコールの音が、場違いに感じられた。
翌日の午後、おじさんが手術を終えて部屋に戻ってきた。HCUを使わずに直接一般病棟に戻ったので、大きな手術では無かったようだ。
おじさんもベッドで安静にして、静かに回復を待つんだ、と思った矢先に、おじさんがナースコールを押した。
若いナースが飛んで来た。何かカーテンの向こうで話しているようだが、ナースは戻っていった。
しばらくして、おじさんが再びナースコールを押した。
さっきと同じナースが飛んできたが、対応はさっきと同じようだった。しばらくして、年配のナースと共に戻って来て、おじさんと会話している。
「カテーテルから、尿が漏れている」
が、おじさんの主張のようだった。それがどの程度の状態なのか、全くわからないが、ナース達は現状で我慢できない程度かどうか確認しているようだった
そして、主治医であろう女性ドクターが加わった。原因調査する中で、「サイズ」という声が聞こえた。
どうやら、カテーテルのサイズが小さかったため、隙間から尿漏れするらしく、サイズを少し太めのものと交換することで患者も納得したようだった。
カーテンの向こう側の風景は全く想像つかないが、おじさんの局部に挿入されたカテーテルを中心にして、3人の女性が対策を議論していたのは確かである。
その場でカテーテルの交換措置が直ちに行われ、ドクターとナースは去り、部屋には病室らしい静寂が訪れた。
しばらくして、ナースコールが響いた。押したのは、三度目のおじさんだった。
「さすがに呼びすぎでしょう」とナースはもちろん、同室の誰もが思ったはずだ。
「カテーテルから、血が漏れている」
が、おじさんの主張だった。
太めのサイズに交換した時に、窮屈だったのかな。声もださず静かにしていたけど、痛いのを我慢していたのかな。
おじさん、尿が漏れるのと、血が漏れるのとでは、結果的に血の方を選んだんだ。おじさん、自分の選択を後悔してないかな。
翌日、私は退院したので、おじさんのその後の様子は、謎のままである。