沖縄へ観光で来た人が「沖縄の空は、雲が低い。」という。
強風でもないのに、雲の動きが速い。近いから早く感じる。
確かに、写真を見ると「空に浮かぶ雲」が、地上すれすれにある!
これはいったいどうしてか……。
沖縄は高い建物が少ないとか、山がない、という理由ではなさそうです。
内地と違っているのは、「湿度」なので、そこから原因を探ってみます。
以前、沖縄の湿度を計算し、
「沖縄の蒸し暑さの原因は、海に囲まれており、昼も夜も、空気中には1立方メートル当たり約24グラム(24cc)の水分が含まれていること」
を明らかにしました。沖縄の湿度と除湿器
沖縄の湿度を調べると、夜は90%、昼は72%くらい。
昼と、夜で、大気が移動しないのに、なぜ20%も湿度が違うのか。
空気中の水蒸気は、気温によって、空気に吸収される量(飽和水蒸気量)が違う。
28度の夜は、1立方メートル当たり27.24グラム。
32度の昼は、1立方メートル当たり33.82グラム。
⇒温度が4度高い昼の方が、空気に溶け込む水分量が6グラム多い。
湿度=空気中の水分量/飽和水蒸気量。
28度の夜の水分量は、27.24×0.90=24.5グラム。
32度の昼の水分量は、33.82×0.72=24.4グラム。
⇒ほぼ24.5グラムで同じ。
温度の違いで湿度が変わるが、空気中の水分量は、昼も夜も同じだった。
沖縄は、朝になると冷えた地面や車が濡れている。雨が降ったわけでもない。
紫外線を避けて洗濯物を夜に干しても、湿っている感じがする。
これらは、夜になって気温が下がり、空気中にとどまることがでいない水分が液化して、露がつく。
「沖縄の雲が低い」理由も、これと同じではないか。
地上から高度が上がると、次第に気温は下がっていく。
空気中にとどまることができない水分が液化して、霧状になり、雲ができる。
「海に囲まれた沖縄では、空気中に水分がめいっぱい含まれているが、
空気の温度が下がると、溶け込んでいられなくなった水分が水滴になり、
地面側には露がついて、上空側には雲ができる。」
ということではないか。